シリコンバッグを包み込む被膜にカルシウムの結晶が沈着することですが、それが厚みを増すとバッグの破損にもつながります。
外見や触った感じで分かる目立った症状はありません。ただし、石灰化がひどくなるとシリコンバッグの老朽化が早まり、破損してしまうことが多々あります。
レントゲンや超音波エコー、CT、MRIなどでは、白い陰影がシリコンバッグの周りに映り込むため、確認することができます。
- 石灰化はエコー画像で白く写るので確認することができます。ただし、石灰化の層で超音波が反射するためバッグ部分の撮影は不可能です。そのため、破損しているかなどは抜去してみないと分かりません。
シリコンバッグを包み込むコラーゲン繊維の被膜(カプセル)の周りでは、日常的に小さな炎症が起こっています。炎症部分の周囲はアルカリ性になるため、体液中に含まれるカルシウムが石のような結晶となり沈着するようになります。これが、石灰化です。
豊胸手術をしていない女性でも約4%の人に現れる症状ですが、シリコンバッグを挿入すると炎症が続くことによって、ほとんどの方に石灰化が起こります。
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- 日常的に微小な炎症が続く
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- カルシウムが結晶となり沈着
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- バッグの破損にもつながる
石灰化は10年ほどすると高い確立で現れる症状で、シリコンバッグによる豊胸手術を選ぶ以上、避けては通れない道と言えるでしょう。バッグを入れる期間を短くすることで緩和されるかもしれませんが、何度も入れ替えることは体に大きな負担を与えます。
長年バッグを入れている方の抜去手術をすると、びっしりと結晶が付着しています。こうなると、このカルシウムの結晶を完全に取り除くことは困難ですので、早めに抜去することが必要です。
バストを美しく保つためにはバッグを入れ替えるという方法もありますが、また石灰化を起こす可能性は否めません。そのため、拒絶反応のない自家組織を活用する脂肪注入法でのボリュームの充填がおすすめです。
シリコンバッグによる石灰化のエコー診断カルテ
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- No.048
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- 37歳
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- 女性
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- 2015-04-03
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- シリコンバッグによる失敗
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- No.016
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- 47歳
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- 女性
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- 2013-12-18
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- シリコンバッグによる失敗
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- No.004
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- 48歳
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- 女性
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- 2013-07-30
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- シリコンバッグによる失敗