本来なら体内に吸収されるはずのヒアルロン酸が、塊で残ってしまうトラブルです。吸収されない量を塊で注入してしまうといったドクターの手技的ミスによって起こります。
バストを指の腹で押したときの硬い異物感が特徴的です。その他にも、しこりができたことによって、バストの表面がくぼんだり盛り上がったり、皮膚が引きつったりする症状も見られます。また、しこりの炎症によって、痛みを伴う場合もあります。
- 吸収されなかったヒアルロン酸がエコーで黒い塊として映し出されており、しこりと確認できます。
ヒアルロン酸は注入後、体の拒絶反応によって、コラーゲン線維の被膜で覆われます。通常、被膜が形成される前か被膜の薄いうちに体内の酵素成分によって分解・吸収されますが、この拒絶反応が強く出てしまうと被膜が厚く硬くなることがあります。その結果、分解・吸収されずに、しこりとなってしまうのです。他にも、ヒアルロン酸の種類や注入量、注入する場所、繰り返しの注入などがしこりのできる原因として考えられています。
ヒアルロン酸によるしこりの原因は、まだすべてが明らかになっていません。しかし、これまでのしこり治療で、誤った注入場所や大量注入、繰り返しの注入などでしこりができているケースが確認されています。体質によるものもあるため、「これで安心」という方法は明言できませんが、正しい判断で施術を行うドクターを見極めることが、しこり回避への第一歩と言えるでしょう。
しこりがヒアルロン酸によるものであれば、ほとんどの場合は、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸溶解液をしこりに注入することで、しこりをなくすことができます。
ただし、ヒアルロン酸注入による豊胸後にしこりを発見しても、ヒアルロン酸が原因かどうかをまずはきちんと検査することが欠かせません。さらにヒアルロン酸を完全に取り除くため、溶解注射を打つ際にも超音波エコーなどの映像を確認しながら、的確に注入することが大切です。
ヒアルロン酸注入によるしこりのエコー診断カルテ
-
- No.077
-
-
- 41歳
-
- 女性
-
- 2016-03-25
-
- ヒアルロン酸注入による失敗
-
- No.073
-
-
- 35歳
-
- 女性
-
- 2015-12-27
-
- ヒアルロン酸注入による失敗
-
- No.071
-
-
- 33歳
-
- 女性
-
- 2015-12-21
-
- ヒアルロン酸注入による失敗
-
- No.068
-
-
- 40歳
-
- 女性
-
- 2015-11-18
-
- ヒアルロン酸注入による失敗
-
- No.066
-
-
- 33歳
-
- 女性
-
- 2015-10-27
-
- ヒアルロン酸注入による失敗