ヒアルロン酸注入による失敗
体内に吸収され、手術を必要としないことから、人気の高いプチ豊胸術です。ここでは、症状や原因、超音波エコーを使用した実際の診断と治療法をご紹介します。
症状
バストを指の腹で押したときの硬い異物感が特徴的です。その他にも、しこりができたことによって、バストの表面がくぼんだり盛り上がったり、皮膚が引きつったりする症状も見られます。また、しこりの炎症によって、痛みを伴う場合もあります。
吸収されなかったヒアルロン酸がエコーで黒い塊として映し出されており、しこりと確認できます。
原因
ヒアルロン酸は注入後、体の拒絶反応によって、コラーゲン線維の被膜で覆われます。通常、被膜が形成される前か被膜の薄いうちに体内の酵素成分によって分解・吸収されますが、この拒絶反応が強く出てしまうと被膜が厚く硬くなることがあります。その結果、分解・吸収されずに、しこりとなってしまうのです。他にも、ヒアルロン酸の種類や注入量、注入する場所、繰り返しの注入などがしこりのできる原因として考えられています。
- 考えられるしこりの原因
治療方法
しこりがヒアルロン酸によるものであれば、ほとんどの場合は、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸溶解液をしこりに注入することで、しこりをなくすことができます。
ただし、ヒアルロン酸注入による豊胸後にしこりを発見しても、ヒ アルロン酸が原因かどうかをまずはきちんと検査することが欠かせません。さらにヒアルロン酸を完全に取り除くため、溶解注射を打つ際にも超音波エコーなどの映像を確認しながら、的確に注入することが大切です。
Dr.大橋のケーススタディ
このケースは、他院でヒアルロン酸溶解注射による治療を受けても残ってしまったしこりの治療でした。しこりの取り残しは、治療前にしこりの正確な位置を把握していなかった可能性が考えられます。当院では、実際にしこりを確認しながらヒアルロン酸内に的確に注射を行います。このケースでも完全になくなっていることが確認できます。